ザリガニの種類について~日本にはどんな種類のザリガニが棲息し、また飼育する事が出来るのでしょうか?

ニホンザリガニ

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名前の通り、ニホンザリガニは古くから日本に定着していたザリガニの種です。

わざわざ「ニホン」と名付けているようですから、外来種のザリガニが一般化してしまった事情がこの名前から読み取れますね。

wikiによると「かつては北日本の山地の川に多く分布していたが、現在は北海道、青森県、岩手県及び秋田県の1道3県に少数が分布するのみである。」とあるのですが、埼玉県南部で幼少期を過ごした私は、複数エリアで何度もニホンザリガニを捕獲したことがありますので、関東以北にも普通に生息していたものと思われます。

日本で「ザリガニ」と言えば後述するアメリカザリガニを指す方が一般的になってしまうほど、その生息数を減らしてしまいましたが、外来種による生態系の破壊だけでなく、元々清流や澄んだ湖沼にしか生息できない主ですので、住宅地の開発などの環境汚染の方が要因としては大きいようです。

肉食メインのアメリカザリガニと違い、おもに広葉樹の落葉を食べるという食性も個体数現象の要因であるようです。

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アメリカザリガニ

今ではアスファルトやコンクリートで埋め尽くされてしまった私の実家周辺にも、今から40年近く前までは沼地や池が点在していました。

私も含めて当時の子供たちはその池や沼でザリガニ採りに興じていましたが、我々の世代でザリガニとして馴染みが深いのは「真っ赤チン」の相性で呼ばれ、大きくて立派で真っ赤なハサミを持つ「アメリカザリガニ」です。

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Photo by (c)Tomo.Yun

アメリカザリガニはアメリカ合衆国南部を原産地とし、1927年に食用ガエルの餌として日本に持ち込まれました。

その生命力と繁殖力、更には人の手を介した事も手伝って、その棲息域は日本全土に及び、在来種であるニホンザリガニの生息域を脅かし続けているのはもはや常識となっています。

元々澄んだ綺麗な水でなくても生息可能な強い生命力と繁殖力を持っていますので、水槽に入れて適当に動物性たんぱく質を含んだ餌を与えて水が腐らないように注意していてばどんどん繁殖します。

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ウチダザリガニ

ウチダザリガニの飼育には許可が必要です。

アメリカザリガニが日本に定着し、一般的にザリガニと呼べはアメリカザリガニを指すまでになったのと対照的に、同じ外来種の「ウチダザリガニ」は一般的にはその存在を認知されてはいません。

 

アメリカザリガニと同様に1900年代初頭にアメリカ合衆国北部から食用として持ち込まれた本種は、低水温を好み、30度以上の水温下では長時間生存出来ないなど、日本の環境への適応力がアメリカザリガニよりも劣る為、その棲息域は、北海道(支笏湖・洞爺湖・摩周湖・阿寒湖・屈斜路湖等)、福島県、長野県、滋賀県(淡海湖)、千葉県(利根川水系)、福井県(九頭竜湖)などに限られています。

ウチダザリガニの魅力はなんと言っても、アメリカザリガニをも凌ぐ体とハサミの大きさでしょう。

現状では特定外来生物に指定されているため、無許可での飼育や遺棄、譲渡、輸入等が禁じられていますので、飼育は不可能ですが、一度飼ってみたいと思わせるような魅力を持ったザリガニだと思います。

しかし、ウチダザリガニの魅力はそれだけではありません。

もともとフランス料理で使う食用として輸入された生物ですから、かなり美味しいとの評判なのです。

 

採集した場所からの移動や飼育が法律で禁じられてはいますが、その場で調理する分には問題はありません。

北海道や福島などに旅行に出掛けた際は、一度食べてみたいものです。

(ライター まるお)

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