ランタナは、低木のランタナ・カマラと、花と葉が小さいコバノランタナが主な原種で、それらをベースとして、さまざまな園芸品種が作りだされました。

当記事ではそんなランタナの剪定のしかたを紹介します。

ランタナの概要

ランタナは、熱帯地域で広く野生化している低木のランタナ・カマラと、やや花と葉が小さいほふく性のコバノランタナがおもな原種です。

それらをもとにさまざまな園芸品種がつくり出されました。

生育形態によって系統を分けると、低木状になるもの、鉢向きのコンパクトなブッシュ状の樹形になるもの、ほふく性のものなどがあります。

また、花がなくても楽しめる葉に斑が入った品種もあります。

 

開花期間が長く、丈夫なので、鉢物としてよく流通するほか、花壇などにも利用されます。

寒さにも比較的耐えるので、関東地方南部では戸外でもよく冬越しします。

ランタナの生態

ランタナは、クマツヅラ科の常緑小低木で、和名はシチヘンゲ(七変化)です。

形態は、低木で、原産地は、熱帯アメリカ、ブラジル、ウルグアイです。

 

草丈、樹高は、0.3~2メートル、開花期は5月~10月です。

ただし、一定の温度があれば周年開花します。

 

ランタナは、開花期になると、分枝した茎の上部の葉の付け根から花柄を伸ばし、先端に多数の小花が集まった半球状の花序を形成します。

花はロウト状で先が4裂しており、花径1センチに満たない小さなものです。

 

ランタナの花の色は、白、赤、ピンク、オレンジ、黄、複色です。

ランタナの花は、咲き進むに連れて色が変化するため、1つの花序の外側と内側で花色が異なっています。

「シチヘンゲ(七変化)」の別名は、この花色変化に由来します。

 

なお、耐寒性がやや弱く、耐暑性が強いという熱帯植物です。

強い霜で枯れてしまうこともありますが、関東地方南部では戸外で冬越ししている例もあります。

安価な苗が流通しているので、冬越しをさせない場合は一年草として扱います。

 

耐寒性は、あまりありませんが、丈夫な性質で病害虫の発生もほとんどなく、育てやすい植物でしょう。

ランタナの主な原種、園芸品種は以下の通りです。

ランタナ・カマラ Lantana camara

熱帯アメリカ原産で、花色が変化することからシチヘンゲ(七変化)の和名があります。

コンフェッティ Lantana camara ‘Confetti’

ランタナ・カマラの園芸品種で低木状に生育します。

コバノランタナ Lantana montevidensis

ブラジル、ウルグアイ原産で、枝は細く伸びてほふくします。

ランタナの季節と剪定

ランタナは、冬に葉が枯れたら株元から刈りこみます。

春になって暖かくなると新芽が伸びてきます。

夏の生育が旺盛なので、伸び過ぎてしまったら適度な長さに剪定するとよいでしょう。

 

剪定のやりかたは、枝の付け根から2~3芽のところで、横向きについてる芽を残し切ります。

その際、上向きに残したいなら上下の芽を残し、下の芽は掻きとります。弱い枝は根元から切ります。

 

冬は丸坊主になりますが、それでも翌年の春には、しっかり芽が出ます。

注意するポイントは、古枝になると良い芽が出にくくなるので、切るときに思い切って更新することです。

ランタナのその他雑学など

ランタナは、国際自然保護連合が定める「世界の侵略的外来種」に含まれています。

ランタナは、とても自生力が高く、種は1株に約12000個も付けます。

その種には「アレロパシー物質」というほかの植物の成長を抑える成分が含まれています。

 

このアレロパシー物質によって、ランタナだけしか育たない環境を作ってしまうのです。

ちなみに、日本でも「要注意外来種生物リスト」に含まれています。

ランタナのまとめ

以上、ランタナとその剪定についていかがでしたか?

ランタナは、園芸初心者にも扱いやすい花ですが、侵略的外来種でもあります。

注意をしていないと、ほかの園芸植物をおおってしまうので、伸びてきたら季節を問わず剪定してください。

手間をかけたぶん、綺麗に花開きます。

(ライター ジュン)