オレンジのユリは、結論から先に言うと、オニユリ(鬼百合)もしくはスカシユリ(透百合)です。

ユリにはさまざまな種類があり、古くから人々に親しまれてきました。

当記事では、そんなユリのなかで、特にオレンジ色の種について紹介します。

ユリの生態

ユリ(百合)は、ユリ目・ユリ科のうち、おもにユリ属の多年草の総称です。

北半球のアジアを中心に、ヨーロッパ、北アメリカなどの亜熱帯から温帯、亜寒帯にかけて広く分布しています。

オレンジ色のユリは、以下の種が有名です。

オニユリ(鬼百合)

オニユリ(鬼百合)は、ユリ科・ユリ属の植物です。

グアム東部、中国、朝鮮半島、日本に自生しており、日本では北海道から九州の平地から低山で普通に見られます。

 

日本のオニユリは、中国からの渡来種といわれています。

オニユリの草丈は、1~2メートルほどで、大型のユリに属します。

 

オニユリの葉は、互生し、小さめの披針形で先端はゆるく尖っています。

茎は紫褐色で、細かい斑点があります。

 

開花期は、7~8月で、花弁はオレンジ色です。

濃褐色で暗紫色の斑点を生じます。

 

花弁は強く反り返っています。

種子は作りませんが、葉の付け根に暗紫色のムカゴを作ります。

オニユリの鱗茎は、ヤマユリと同様、食用となります。

スカシユリ(透百合)

スカシユリ(透百合)は、ユリ科・ユリ属に属する植物の一種です。

海岸の砂礫地や崖などに生える多年草で、大きさは20~60センチです。

スカシユリは、古来より栽培・育種の対象となっていて、交配の母種として使われることが多いです。

スカシユリの花期は、太平洋岸の個体群で7~8月、日本海側の個体群で5~6月です。

 

茎の頂に、直径10センチほどの、赤褐色の斑点を持つオレンジ色の花をつけます。

花被片の付け根付近がやや細く、隙間が見えることから「透かし」百合の和名が付けられました。

アジアティック・ハイブリッド(エレガントリリー/スカシユリ)

アジアティック・ハイブリッドは、オニユリやヒメユリなど、アジア原産のユリを中心に交配された品種群です。

丈夫で栽培しやすいことから、庭植えに適した品種といわれています。

一般的にスカシユリやエレガントリリーと呼ばれることが多いのですが、原種のスカシユリの特徴は、あまり持ち合わせていません。

ユリの季節

ユリの植栽時期は10~11月です。

5~8月ごろ開花する種が多いです。

ちなみに、ユリの原種は100種以上あります。

 

品種は約130品種で、アジア71種、北アメリカ37種、ヨーロッパ12種、ユーラシア大陸10種です。

日本には15種があり、そのうち7種は日本特産種です。

ユリのその他雑学など

オニユリは、花の色やかたちが赤鬼のように見えることから、鬼百合と呼ばれるようになりました。

ヒメユリ(姫百合)と対比して、「鬼のように大きい百合」という意味だという説もあります。

一方、コオニユリ(小鬼百合)は、小さなオニユリという意味で名付けられています。

 

このなかで「鬼のように大きい~」という説が、苦しいながらも妙な説得力を持っているのは、動物や植物の分類をするときに、体長・全長・草丈などが大きい種に対して、オニと付けることが多いからです。たとえば、「オニやんま」、「オニヒトデ」、「オニアザミ」、「オニカサゴ」などがそうです。

 

ちなみに、オニユリは英語で「tiger lily」です。

「lily」はユリ科の植物のことです。

 

これも和名と同様に、花の色やかたちに由来します。

英語圏の方々には、どうやら虎の模様に見えたようです。

ただ、虎というより、どちらかというとヒョウ柄のほうが似ているとは思うのですが……。

ユリのまとめ

以上、オレンジのユリについていかがでしたか?

 

同じユリを見ても日本では「鬼」、英語圏では「虎」と連想するものが違うのは面白いですよね。

鬼のパンツは虎の毛皮だったような気もしますが。

と、思わぬところで色々とつながってしまいましたが、当記事はこのへんでひとまず終了いたします。

お読みいただきありがとうございました。

(ライター ジュン)