秋の訪れと共に、田んぼに彼岸花が並んで咲いている情景はとても綺麗ですよね。

彼岸花はお彼岸にちなんでいるそうですが、たくさんの言い伝えもあります。

 

そんな彼岸花ですが食用できるのでしょうか?

彼岸花について詳しく調べてみました。

彼岸花とは?

「ヒガンバナ(彼岸花)」は、ヒガンバナ科の多年草です。

秋のお彼岸の頃だけに花を咲かせるので、「彼岸花」と名付けられました。

別名「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」とも呼ばれています。

日本では全国各地で見ることができますが、実は彼岸花はユーラシア大陸東部から渡来したものです。

 

彼岸花は人為的に植えることが多いので、田んぼや畑、墓地などに多く見られます。

彼岸花は湿った場所が好きなので、田んぼは大好きな場所です。

彼岸花の生態

彼岸花は約30センチぐらいの長さに伸びて、長さ40mm、幅5mmの6枚の花びらが放射状につきます。

彼岸花の種小名の”radiata”には「放射状」という意味があります。

9月の中旬、ちょうど彼岸の頃に花が咲きます。

彼岸花がズラーっと並んで咲いている光景はとても幻想的で美しいですよ。

 

彼岸花の花は赤色が一般的ですが、品種改良などをされて、赤色の他にも白や黄色があります。

葉っぱは深緑で艶があります。

 

葉っぱは冬に見られ、春になると枯れてしまいます。

秋頃の花が咲く時期には葉っぱありません。

花と葉っぱは真逆の生態です。

例えるならば、花と葉っぱは一緒に住んでいるのに、出会うことがなく、すれ違いの生活をしているようです。

 

彼岸花は毒を持っているので、畑や田を荒らす小動物を避けるために人為的に植えられています。

ネズミやモグラなどは彼岸花が咲いている所の近くには現れないと言われています。

彼岸花は食用できるのか?

彼岸花は鱗茎にアルカイドという毒があります。

この毒を摂取すると、吐き気や下痢が起こります。

 

ひどい場合には神経が麻痺して、死亡してしまうこともあります。

ですがこの毒は水に弱いので、彼岸花の鱗茎を長時間水にさらしておけば毒がなくなり食べられるようになります。

 

実際戦争中に非常食として食べられていました。

そして彼岸花の鱗茎は薬としての効果もあります。

 

“石蒜(せきさん)”と呼ばれ、利尿や期間に溜まった痰を取ることに効果があります。

ということで、彼岸花はきちんと毒抜きをすれば食用できることがわかりました。

彼岸花の別名や言い伝え

彼岸花は日本で1000以上の別名や迷信、言い伝えなどがあるそうです。

その中のいくつかをご紹介します。

 

彼岸花の花の形が火が燃えるように見えることから、「彼岸花を家に持ち帰ると家事になる」と言われています。

彼岸花には毒があるので、「彼岸花を摘むと手が腐る」とも言われています。

 

彼岸花の別名は「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」などとも呼ばれています。

墓地に多く咲いていたり、お彼岸の頃に合わせたように咲くので、それも理由のひとつになっているようです。

 

彼岸花は悪い意味の言葉が含まれているものが多いですが、良い意味でも使われています。

赤い花が天から降ってくるというようで、おめでたい事が起こるという意味でも使われます。

 

彼岸花の花言葉も「情熱、思うはあなたひとり」など良い意味があります。

ですが、彼岸花の別名や迷信は不吉なことを連想させる意味が多いので、贈り物には向いていません。

彼岸花についてのまとめ

彼岸花は秋のお彼岸の頃に咲くので、9月の季語となっています。

彼岸花は食用できますが、毒があるのであまりおすすめできません。

 

何らかの理由で彼岸花を食する場合は、十分に注意してください!

そして彼岸花は薬にもなっていますが、摂取する際の自己判断はやめてくださいね。

必ずお医者さんに確認してください。

(ライター 雲呑)