ヤマハギという名前の花を知っていますか?

ハギと一言で言っても実は日本には多くのハギが分布していて、その中から、ヤマハギを見つけ出すにはヤマハギの特徴をしっかり押さえておく必要があるようなのです。

ヤマハギの特徴

ヤマハギはマメ科ハギ属に分類され、北海道から九州、朝鮮や中国、ウスリーに分布する落葉半低木です。

尾根筋のアカマツ林中や林縁、刈り取り草地などに生育しています。

高さは2mほどにもなり、葉は3つの小さな楕円形が一組になってつきます。

刃の形は先端がわずかに凹むものや、円頭のものがあり、変異の幅は広いのが特徴です。

表面は無毛ですが、裏面には短毛があります。

ヤマハギの花

ヤマハギの花は7~10月にかけて咲き、花序の柄は長いのが特徴です。

葉よりも外側に出て目立ち、色は濃い紅紫色で、弁となる部分の色も濃くなっています。

 

花が終わると実がなりますが、実を見るとマメ科の植物であることがよくわかります。

平べったい殻の中に種が含まれていて、豆らしい形をします。

ヤマハギの属するハギについて

ハギとはマメ科ハギ属の総称で、秋の七草のひとつになっています。

ちなみに、秋の七草とはオミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、そしてハギ。

 

ハギは日本を代表する草花で、万葉集の時代から日本人に愛されてきた花なのです。

ハギの花が咲く時期は7~10月。

 

沢山の種類があり、花の形状も様々ですが、最も一般的に栽培されているのはミヤギノハギと言われる品種です。

また、野生種としては、紫の花をつけるヤマハギやニシキハギ、白い花を咲かせる種類としてはシラハギや江戸絞りと言われるものがありますが、一般的に「ハギ」と言えば、ヤマハギやミヤギノハギをさすことが多いです。

 

ハギは東アジア、南アジア、北米東部、オーストラリアの温帯や亜熱帯地域に分布しています。

背の低い落葉低木で、茎は木質化して固く、太くなり、伸びるようなことはありません。

 

根元から新しい目が毎年出て、直立せず、先端がしだれる特徴があります。

葉は三枚複葉で、秋に枝の先端から多数の花枝が出ます。

 

赤紫や白の花の房をつけ、果実は種子を一つだけ含んでいます。

葉は楕円形で扁平です。

焼け地などの後に一斉に生えてくるパイオニア植物としても知られています。

ハギの栽培

栽培種と知られるのは、ミヤギノハギ。

庭木として植えている人も沢山います。

 

一度庭に植えてしまうと、水やりも、肥料もほとんどいらない、手間のかからない植物です。

落葉している12月~2月にかけて剪定すると、思い通りの形に咲かせることが出来ます。

ハギの言葉の由来

ハギはハエキ(生芽)の意味で、茎が這うように伸びるところからついたと言われており、「ハクエキ(延茎)」からきたとも言われています。

葉が早く黄色になることから「ハヤクキバム(早黄)」や「ハキ(葉黄)」や秋を代表する草花ということで秋に草冠をつけて萩になったなど、色々な説がありますが、最も有力な説は茎が這うように伸びることから来た「生芽」なのだそう。

ハギの花言葉

ハギの花は奈良時代には恋文を萩の花に飾り、結んでいたと言われています。

 

花言葉は「内気」「思案」「前向きな恋」「柔軟な精神」「柔らかな心」「過去の思い出」「物思い」などで、「内気や思案」は萩の花の控えめで細やかな美しさからきており、「前向きな恋」は前へ前へと延びる枝に紫色の花が沢山咲く様子から。また、「柔軟な精神」は風に揺れる花の様子。

 

「柔らかな心」や「過去の思い出」はどことなく、寂しげな風情を感じさせるところからきていると言われています

また、9月24日と10月1日の誕生花にもなっています。

(ライター ナオ)