薬草としても名の知れているゲンノショウコ。

どこかで耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

でも、このゲンノショウコ、一体どんな花が咲くのかご存知でしたでしょうか?

ゲンノショウコの特徴

ゲンノショウコはフウロソウ科フウロソウ属の多年草。

日本全土の山野や道端に普通にみられる花です。

生薬の一つでもあり、和名は玄草とも言います。

日本では北海道の草地や本州から九州にかけての山野、また、朝鮮半島や中国大陸などに自生しています。

 

茎は30~40㎝に伸び、大部分が地表を這うようにして広がり、全体に下向きの毛が生えています。

葉は長柄を持っていて対生。葉の形状は掌型に3~5に深裂し、幅は3~7㎝位です。

裂片は先で更に3つに分裂し、倒卵形をしており、葉の縁は鋸歯型で、柔らかい肉質をしています。

ゲンノショウコの花

紅紫色、白紫色の花は夏に開花して枝先と葉の脇から長い花軸をだし、2~3個つけ、花弁は5枚で赤い筋が走っています。

おしべが10本程で、めしべの花柱の先は5つに裂けています。

 

小さな花はとても可愛らしい印象です。

種を飛ばした後、花の形はすっかり反り返り、神輿のように見えることから、ミコシグサと呼ばれることもあります。

ゲンノショウコの薬草

ゲンノショウコはドクダミやセンブリなどと共に民間薬の代表格です。

江戸時代から民間薬として用いられるようになり、現代の薬局にもゲンノショウコの名前があります。

 

有効な成分はゲラニインなどのタンニンで、根や茎、葉、花などは干して煎じると下痢止めや胃薬、また、お茶としても飲用します。

万が一飲みすぎてしまっても便秘を引き起こしたりはせず、とても優秀な整腸製薬として知られていて、別名をイシャイラズやタチマチグサなどとも言います。

花の咲く7~8月頃に根や泥を取り除いてから天日で乾燥させます。

 

若葉の頃はトリカブトやキンポウゲ類の有毒植物に似ているので、注意する必要がありますが、花が咲くころになれば、間違うこともありません。

時間をかけて十分い煎じることで、薬効成分が抽出され、下痢止めとしての効能もあります。

慢性的な胃腸弱の場合はお茶代わりに飲んでも効果があり、利尿を促す場合は1日に10~15gほどを0.5lの水で5~10分煎じて3回に分けて飲むと効果があります。

また、高血圧予防や婦人病などの治療などにも効果があると言われています。

〇ゲンノショウコの栽培

ゲンノショウコは比較的、道端や山道で咲いているのを見かけやすい植物ですが、栽培して薬草として利用したい人は畑の片隅にでも植えておくと良いかもしれません。

園芸店などで敢えて種を販売しているようなことはありませんので、野山なので種を少しだけもらって撒いてみると良いでしょう。

一度芽が出て花が咲けば、あとは自然に種を落として、増えていきます。

 

特に神経質に水やりをしたり、肥料をあげる必要はありませんが他の草と混ざったり、生命力が強いために雑草化してどんどん広がっていったりしないように注意が必要です。

決まった一角内で管理するのがベスト!!

 

半日陰でもよく育つので、場所も選ばず、土質も選びません。

狭い庭の一角でも、よく育つので楽しみながら、薬草として使いながら栽培するのがオススメです。

ゲンノショウコの花言葉

ゲンノショウコの花言葉は「心の強さ」。

その逞しい生命力からきていると思われる言葉です。

ゲンノショウコのまとめ

控えめな花だけど、しっかりと逞しさを兼ね備え、それでいて病気にも多くの効果がある、万能なゲンノショウコ。

知らなかった人はぜひ、道端に咲いている小さな花に目をやってみてください。

もしかしたら、見えなかった世界が見えてくるかもしれません。

(ライター ナオ)